伊勢原CB

Yahooブログから引っ越しました、「あの頃の未来」伊勢原CBです、Yブログで知り合った方が訪問の際には、メッセージで貴殿のURL等をご連絡いただけますと幸いです。

    2012年01月

     
     1月12日にもMTXでお出掛けしてまして
     
    そのときの記事ですが
     
    ここら辺の里山は殆どが耕作地でして、農道なんですが良く整備されてます
     
    高台からは景色が見渡せます、この日は快晴では有りませんでしたが
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    よーーく見たら、スカイツリーが見えるじゃない、初めて見ました
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    丹沢には白いものが
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    こんな道をグイグイと、農作業の軽トラの邪魔をしないように
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    更にグイグイ
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    その先にあるものは
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    石です
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    なになに?ふむふむ、へ~そうなの!
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    大蛇は出てきませんでした(汗)
     
     
    次に行った場所は
     
    菜の花の名所?
     
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    緑色の畑はこれから成長する菜の花
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    天気が良ければ、この方向は富士山の撮影ポイントです
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    抜けられると思っていた道が見つからず
     
    ウロウロし過ぎて、帰りは日が落ちてしまいました
     
    県道脇の温度表示は2度でした、全ての指先の感覚がなくなりました。
     
     
     
     


    今日は曇りで今にも降りそうですが

    寒いと調子が良いので

    お散歩へ

    里山の中へ
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    冬枯れの里山
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    のどかな小川
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    景色は見えない
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    こんな道をソロソロと
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    行き止まりでした、これの作業道路なのね。
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    二時間のお散歩でした。

    BGMをどうぞ
    (タバッチさんのリクエスト)
     
     
     
     
     いつものガソリンスタンドで満タンにして、約束のセブンイレブンへ着くと、ライダースーツを着た那美がヘルメットを持って立っていた。
     
     「こんな時間に何処へ行くんだよ」
     
     「何処でもいいの、海でも山でも、夜が明けるまで走って欲しい」
     
     「海が好きだったよな、夜明けに帰ってくれば良いんだな、分かったよ、乗りな」
     
     那美を乗せ、深夜の海岸線を南へ走った、南の風が強く、潮の香りが濃かった。トンネルに入ると那美は敏彦のヘルメットに映る、次々に走るナトリウム灯を見ていた、次のトンネルではガソリンタンクの上をナトリウム灯が走るのを見た。外灯が無く、対向車のヘッドライトが真横を過ぎる瞬間は、ヘルメットのシールドが光り視界を無くす、敏彦は慎重に走った。
     
     小さな河口に有るセブンイレブンで初めて停まった。
     
     「ションBen、ションBen」
     
     敏彦はコンビニでトイレを借り、ホットのコーヒーを二本買ってきた、那美は海を見ていた。
     
     「森泉さん、ごめんなさい、迷惑だったでしょ」
     
     「迷惑なら来ねーよ、気にすんな、こっから帰れば大磯辺りで日の出だ、帰るか」
     
     「そうね、もう帰らないとね、悪いわ」
     
     「だから気にすんな、帰るぞ」
     
     敏彦は来た道を引き返した、東の水平線が明るかった。
     
     「夜明けだ、新しい今日の始まりだ、昨日のことは忘れろ」 敏彦は呟いた。
     
     「ここは居心地が良いな、もっと早く知っていたらな」
     
     ヘルメットの中で那美が囁いた。
     
     敏彦はアクセルを緩めた、今が永遠ならと思った。
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     
     

     桜が満開になると、森泉敏彦のガレージにもう一台四気筒があった、四年ほど走っていなかったが風間岳夫が手を掛けていた四気筒は整備の必要が無かった。50cc大きな四気筒の乗り易さは知ってはいたが、改めて乗り比べるとその違いが楽しいではないと思った、「楽」ではあるが「楽しい」ではないと。
     
     初夏の陽射しを浴びながら、海岸線を走る敏彦の四気筒の前を、タンクのデザインが違うだけに見えるオートバイが走っていた。
     
     ハンドルを握っているのは笑顔の青井那美だった。
     
     
     
     
     
     

     

     風間岳夫はバイクの車検を取らずガレージに置きっぱなしだった、青井那美も就職をしてオートバイから遠ざかっていた、森泉敏彦は相変わらず休みはオートバイだった。
     
     敏彦がガレージでカップラーメンに湯を注ぎ、ビールを一口飲んだとき電話のベルが鳴った、左手のコップをテーブル代わりの切り株に置き、受話器を取った。
     
    「たまには一緒に飲まないか」 風間岳夫からの電話だった。
     
    「久し振りだな岳夫、イイじゃないか、たまには飲もうぜ」
     
    待ち合わせの店を決め電話を切った、ラーメンとビールを済ませ敏彦はライダージャケットをはおりガレージを出た。
     
     二人は久し振りに顔を逢わせた、口から出るのは思い出話ばかりだった、風間岳夫は疲れた様子だった。別れ際に青井那美が結婚するらしいと言った、風間岳夫と青井那美は恋人同士ではなく、兄弟のような仲だったと風間岳夫は言っていた。
     
     夏の始まりの夜、森泉敏彦がガレージで、カップラーメンに湯を注ぎ、ビールの栓を抜いたとき電話のベルが鳴った、敏彦は八回目のベルで受話器を取った。
     
    「もしもし、森泉さんですか」 電話の相手は青井那美だった。
     
    「風間さんから番号聞いちゃった、今、何してるの」
     
    「ラーメンにお湯を入れたとこ、これからビール」
     
    「まだ飲んでないのね、これからビールって事は」
     
    「今からコップに入れて、口の中へ」
     
    「それじゃあ、まだ飲まないで」
     
    「おいおい、お預けかよ、ひでーな」
     
    「まだオートバイに乗ってるの、森泉さんは」
     
    「今でも乗ってるよ、四気筒、調子はサイコーだぜ」
     
    「それじゃあ、乗せてくれる、これから」
     
    「そーか、今はバイク無いのか、単車は貸してやるから乗りなよ」
     
    「貸してくれなくていいから、後に乗せて」
     
    「こんな時間にかよ、どーしたんだ、急用か」
     
    「お願い、後に乗せてよ」
     
    「分かったよ、それじゃあ、ビールは諦めるけど、ラーメンを食ってから出るよ」
     
     急な願いの理由を、敏彦は一切聞かなかった。
     
     敏彦はラーメンの麺だけ急いで流し込むと、片付けもせず、栓の抜けたビール瓶を恨めしそうに見ながら、コップの水を一気に飲んだ。
     
     四気筒のエンジンはキック一回で調子良くかかった。

     
     大学を卒業した風間岳夫は大手の会社に就職し、バイクに乗る時間はなくなった、森泉敏彦は相変わらず休みの日はオートバイだった、まだ学生の青井那美は念願の大型免許をとり、風間岳夫の四気筒に乗っていた。
     
     森泉敏彦と青井那美は一度、足柄峠で一緒になった。敏彦がファインダーの中に富士山とオートバイを入れ、シャッターを押した時カメラとオートバイの間を一台のオートバイが走りぬけた、エンジン音とアクセルワークから風間岳夫だと敏彦は思った、少し離れて止まったオートバイは風間岳夫の四気筒だった、しかしシートの上には青井那美が居た、このとき岳夫のバイクに那美が乗っていることを知った。
     
    「偶然ですね、今日は森泉さんお休みの日なんだ」
     
    「だいぶ走り込んでいるね、そのオートバイにふさわしいアクセルワークだ、なかなか良い」
     
    「風間さんとはいつもこんな風に、どこかで逢っていたのかしら」
     
    「岳夫とは感性が一緒だから、走りたい場所がだいたい分かるんだよ、その日の気分が同じなのかな」
     
    「その日の気分が同じかぁ、約束なしでどこかで逢えるなんて凄いな」
     
    「いつも逢えるわけじゃないし、逢おうと思っているわけでもない、偶然が強いんだな」
     
    「今日は富士山を見たい気分なのかな、私もそんな気分でここへ来たら、偶然でした」
     
    「確かに今日はそんな気分」
     
    「このオートバイは明日で車検が切れちゃうの、今日はお天気が良かったから走れて良かったわ、これから三国峠を走って、道志を通って帰るの」
     
    「今日は気分が合ってる、俺が行こうと思うコースと同じだ」
     
    「それじゃあ、ご一緒してもらえるのかしら」
     
    「断る理由はない、喜んで」
     
     前を行く那美のラインは風間岳夫と同じだった、ギヤの選択、アクセルワークも同じに見えた。バイクが同じだとライダーが変わっても、走り方は同じになるものなんだと森泉敏彦は考えながら道志みちを走った。
     

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