生垣の上に伸びた松の枝の影を、アスファルトに黒く濃く太陽が映していた、僅かなアップダウンが続く、見通しの良い旧道に、逃げ水が輝いていた、小さな神社のある交差点を左に入り、その先をもう一度左に曲がると、涼しげな流れをコンクリートの橋で渡る、橋の先は杉林と竹林に囲まれた場所で、オートバイで夏を走る時、休憩に持って来いの場所だ。ここへ来るまで直立二気筒624ccのエンジンは、百日紅が咲く真夏の景色の中を、暑さを気にもせず軽快に快調に僕を運んでくれた、照り付ける太陽の下を走る僕達は、夏の景色のひとつだった。
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