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 白い砂浜の先にある、その砂浜全体を見渡すことが出来る場所に、赤いフルフェイスは停まった、沖野は振り向きながら追い越し、そのまま先の駐車スペースまで走った。
 
 沖野が停まった駐車スペースから赤いフルフェイスを見ることは出来なかった、口の中のガムを紙に包みジャケットの左ポケットに入れ、グラブをはめ3km先の道の駅へ行くことにした、確信は無いがそこに赤いフルフェイスは停まるだろうと思った。
 
 港町にある道の駅は広い駐車場に、小さな売店とトイレがあり、少し離れた場所に観光客相手の市場がある。
 
 大概の観光客はここで休憩する、沖野はサイドスタンドに車重と体重を預け、ヘルメットを被ったまま赤いフルフェイスを待った。
 
 目立つエンジン音を響かせて、赤いヘルメットは沖野がいる道の駅を通り過ぎていった、キルスイッチをONにしてセルモーターでエンジンをかけ、沖野は国道に出た。
 
 駅の手前にある橋を渡って右に行くか、真っ直ぐ行くかでおおよそのコースは決まる、時間からして真っ直ぐは無いだろうと沖野は思った。
 
 見失わないようにしていた赤いヘルメットは、橋を渡っても右には行かなかった。
 
妄想はつづく