伊勢原CB

Yahooブログから引っ越しました、「あの頃の未来」伊勢原CBです、Yブログで知り合った方が訪問の際には、メッセージで貴殿のURL等をご連絡いただけますと幸いです。

    2011年06月

     
     トンネルを出てからレザーパンツの裾がしっかり濡れるまで走った場所に、洒落たレストランが木立の中にあった、傘のように枝を広げた紅葉の下に、先にトンネルを出て行ったオートバイが濡れていた。
     
     彼はサイドスタンドの下にちょうど石が入るようにオートバイを停め、ヘルメットを被ったままレストランの入口へ歩いた、ドアを開ける前にヘルメットを外し、濡れたジャケットのジッパーを開けレストランに入った。
     
     ランチタイムには少し遅い時間だがレストランは繁盛していた、ウェイターが中ほどの席へと彼を案内した。
     
     どの席もカップルばかりだった、化粧の濃い若い女性を連れた初老の紳士、女性の年齢が上に見える二人、どちらもそれぞれに家庭がありそうな二人、そしてヘルメットを隣のイスに置き、一人で座っている女性がいた。
     
     彼は窓の外を眺めていた、雨は強くなっていた、オートバイの排気音が近付いてきた、雨の中を走る排気音にしては大きく早い回転数だった、濡れて光ったレザージャケットのライダーは右にウィンカーを点滅させ、レストランの駐車場に入った、傘のように枝を広げた紅葉の下にあるオートバイに並べて停めた。ヘルメットの隣に座る女性は幸せな笑顔をした。
     
     食事を終えたカップル達が出て行き、紅葉の下のオートバイは連ねて走り去り、レストランの客は彼一人になった。
     
     彼はトイレから出た時、レジスターの横に懐かしいものを見つけた。
     
     「これは今でも使えるの」 ウェイターに訊いた。
     
     「使えますよ、当りはしませんけどね」
     
     彼は自分の星座が書いてある投入口に百円玉を入れた、レバーを動かすと灰皿の下から小さく細く巻かれた薄い紙が出てきた、末吉と書かれたおみくじには「待人来ず」と書いてあった。

     
      トンネルの入口で雨が強くなった、峠を登り始めてシールドに霧雨が滴を作った、対抗で走ってくる車両はすでにずぶ濡れだった。
     
     峠を登りきるとダム湖の畔を走る県道の、二つ目のトンネルに入るほんの少し手前で大粒が落ちてきた、トンネルの出口から先は充分に濡れる降り方だった。彼はトンネルを出るのを躊躇した、雨粒が掛からない路面が乾いた場所で、オートバイを止めサイドスタンドを出した。
     
     オートバイが入ったのをトンネル中に響く排気音で気付いた、バックミラーに映るセダンの後ろにヘッドライトが一つ見えた、セダンが脇を通り過ぎると次に通過する筈の排気音が回転を落とした、彼のオートバイのすぐ後ろでアイドリングする排気音が聞こえた、トンネルの中はすぐに静かになった。
     
     「さっきまで降っていなかったのに」 ヘルメットの中から声がした。
     
     「この先もすでに濡れ放題」 彼はヘルメットを被ったまま、濡れたオートバイを気にしているライダーに声を掛けた。
     
     「この雨は止みそうに無いわね」
     
     「濡れるのがイヤなら引き返した方が良いですよ、少し手前はそれ程の雨じゃなかったでしょう、この先はこの降りのままだと思いますよ」
     
     「私はUターンなんか出来ないわ、せっかく来たのに」
     
     「通り雨ではないけれど、強くなったり弱くなったり今日はそんな降り方でしょうね」
     
     「場所によって降り方が違うのね」
     
     「少し弱くなったかしら」
     
     クラッチを握りスターターボタンを押し、ギヤを入れ濡れた道へと慎重に走り出した、後輪が巻き上げる雨水が放射状に後ろに飛び跳ね、タイヤが通った路面は一筋に細かい泡が繋がった。
     
     彼もセルモーターでエンジンをかけ雨の中へと走りだした、路面には一筋の泡がまだ見えた。
     
     あのオートバイは雨の中をどこへ行くのだろう、彼はそんな事を考えながら雨の中を約束の場所へと急いだ、茶色いブーツの表面が水を吸って色が濃くなっていた。

     
       高度が上がるにつれ霧が深くなり、風も冷たくなった。

     傾斜のきつい峠道を四気筒のパワーを使いグングン高度を上げていく、バックミラーに排気量の違う四気筒が映っていた。

     快晴の日でも霧がかかることで有名な三国峠は、梅雨時の曇り空では景色は望めない、走れる視界があるだけでも有り難い。ピークを越え晴れていれば見える富士山に思いをはせて霧の中を下る。目の前の薄いベールが外れぼんやりと湖が見えてくる、カーブの手前でアクセルをオフにした瞬間、鶯や不如帰の鳴声がヘルメットの中に入ってきた。

     霧に頭を抑えられた景色の山中湖を見るのは久し振りだった、バックミラーに映っていたナナハンが隣に停まっていた。不如帰の鳴声がまた聞こえた。
    イメージ 1

     道志道へと走り出したバックミラーに、自分の四気筒が映っている、ナナハンは昔の記憶のオートバイよりずっと走りやすい、今までのナナハンの記憶は他のオートバイの記憶だったようだ。

     道の駅どうしに着いたのは売店が閉店間近の時間だった、クレソンはすでに売り切れだった。
     
     道の駅から走り出したCB550のバックミラーにはCB750K2が映っていた、何度見ても赤いフルフェイスは映らなかった。

     
    美奈子(CB550)が我が家にやってきた時のメーター
    イメージ 1
     
    今日のメーター(ODはSゲコさんとデートした時の距離)
    イメージ 2
     
    約二ヶ月で、約千四百キロ走ってる
     
    Sゲコさんとのデートに行く前に、音が気になったので
    イメージ 3
     
    ここをTマークに合わせて
    イメージ 4
     
    そんなに酷くは無いですが、気分の問題程度に調整してみました
    イメージ 5
     
     
    ネタが無いのでツマラナイ記事でした

     
     323な方々に好評?なジャケット
    イメージ 1
     
     コレはナンカイのジャケットです、二,三年前のモデルかな?Yオクでお買い得価格で落札できたラッキーなジャケット。
     
     コレの背中に323ロゴを入れたくて、服屋にプリントしてよって言ったら
    「コレにやるのはやだなぁ、失敗するから」って、
    ナイロンはイヤだと撥水加工してあるジャケットは尚更だと。
     
     「まー失敗してもいいから」って言ったら
     
     「しょーがねーなぁ」ってシブシブ
     
     「じゃあデータ頂戴」って言うから
     
     323ロゴのイメージデータ持って行ったら
     
     「こんなんじゃヤダヨ、チャンとイラストレータとかでアウトライン化したヤ ツじゃなきゃ」ってAIとかなんとか???
     
     PAPAさんに頼んだら、快くデータを発信して頂き、服屋にもって行ったら
     
     「コレなら大丈夫、ここまですんのが大変なんだよ」って
     
     その場でロゴの大きさ、色とかを決めて、疎の内ついでのときにやっとくよと、それから二人でビールのみ初めて、途中で一人増えて、泡盛にシフトして飲んでたら夜中の2時になっちゃった(汗)
     
     そんなんで出来たのが、今話題のゴロー専用323ジャケット
    イメージ 2
     
     よく見るとFORのRがチョット変、他にも何箇所か修正してる、よーく見ないと分からないけど、結構苦労して時間掛かったみたいです。
     
     普段の商売ではプリントものが得意な服屋ですが、出来る保障がない品物はお断りだそうです。Tシャツやトレーナーなんかはお手の物です。
     
    CMですがクリック宜しく。

    このページのトップヘ