伊勢原CB

Yahooブログから引っ越しました、「あの頃の未来」伊勢原CBです、Yブログで知り合った方が訪問の際には、メッセージで貴殿のURL等をご連絡いただけますと幸いです。

    2012年04月

     
    先日OH決定したキャリパ
     
    ニギニギ&ポトリ
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    ピストンは
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    ありゃ!虫食い!2年でトホホ!
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    ついでにバラバラ
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    シールとピストン交換して
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    エアー抜きする時は、フルードが飛び散ってもタンクとかに付かないようにね
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    最後は圧力かけて、漏れの検査
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    一日放置後確認すると、漏ってないのでOKですね。(たぶん大丈夫)
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    ピストンが錆びてるって?気にしない気にしない。
     
    新品に交換なんて誰も言ってないよ。
     
     
     
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    少年の夏ー最終回
     
     
     店主は奥から鍵とバッテリーをもって戻ってきた。
     
     ガソリンコックのレバーを時計回りに回し、十回キックペダルを蹴り下ろした、右サイドカバーを外しバッテリーを繋ぎ、タンクの左下のキーをオンに回すと緑色のニュートラルランプと赤いオイルランプがハンドルの真ん中に光った
     
     セルモーターが回るか回らないかのうちにマフラーから排気音が吐き出された。
     
     店主の言うとおり調子は良さそうなオートバイだった、アクセルを煽ると目の前にいつかの景色が広がった。
     
     次の日、住民票と印鑑を持ってバイク屋へ入った。
     
     
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     太陽が朝から輝き、街路樹の陰は濃かった。
     
     新しいヘルメットを被り、新しい薄手のレザーグラブに手を入れた。
     
     店主に会釈すると軽く二度アクセルを煽った。
     
     履き慣れたライーダーブーツの左足でシフトペダルを踏み下ろし、緊張した右手でアクセルを回し、クラッチを繋ぎ、焼けたアスファルトの上を走り出した。
     
     三十五年前に感じた気持が胸に浮んだ。
     
     両足の間に満タンのガソリンタンクがある、このオートバイが満タンで走れる距離はあそこまで充分往復できる、防波堤は昔のままだろうか、二十二の時に出てきた街はどんなだろうか。
     
     最初の交差点を左に曲り終えても左のウィンカーが点滅したままだった、赤信号で止まったときハンドルの真ん中の黄色い点滅で、戻し忘れたウィンカースィッチに気が付いた。
     
     思い出に向かって走るチャックの腿に太陽が照りつけた。
     
     
     
     
     
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    少年の夏ー5
     
     
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     会社帰りにエレキギターのゲージを買った、押入れから引っ張り出したケースを開けると昔のままの臭いがした、ゲージを張り久し振りに弾くエレキギターは思う音が出なかった、それでも満足だった、そんな気持になったのは何年も無かったことだ。
     
     目をやることの無かったバイク屋へ目が向くようになり、そのオートバイを見つけた。
     
     縦に二本並んだ懐かしい形のマフラーが目に入った、次の日もそのオートバイを目が探した、その次の日バイク屋の前に車を止め暫く眺めた、その次の日バイク屋へ寄った。
     
     表示された価格は今の自分には簡単に払える額だった、少年の頃これを手に入れる為にアルバイトをしたことを思い出すと、今の自分は裕福に思えた。
     
     「これはエンジンは掛かるの」
     
     「調子は良いですよ、キャブの中身は新品だから、タイヤだって新品、エンジンも上は開けていろいろ交換してあるんですよ、このバイクは乗り易いですよ」
     
     「乗り易さは良く知ってますよ、エンジンかけてみてもらえますか」
     
     「いいですよ」 
     
     バイク屋の主人は店の奥へ鍵を取りに行った。
     
     
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    つづく
     
     
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    少年の夏ー4
     
     
     カーブ出口の路面に砂があった、三十五年前を体が覚えていた、左手がピクっと痛んだ気がした。
     
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     オートバイに乗るのは三十年振りだった、あの時と同じ排気量同じ形の車体、タンクの色は違っていたがそのオートバイを幹線道路沿いのバイク屋で見かけたのは暑い朝だった。
     
     通勤途中にいくつものバイク屋の前を通り過ぎるが、今まではオートバイのことなど見向きもしなかった、得意だったエレキギターも押入れに仕舞ったままで、好きだったロックにも興味が湧かなかった。
     
     そんな風に過ごしてきた日々の中で、夏が本格的に輝きだす少し前、通勤途中の赤信号で左にオートバイが止まった、開けていた窓からアイドリングの排気音が入ってきた。
     
     いつもは気にもしない光景が、その時は何故か排気音が耳に入ってきた、聞き覚えのある音だった、左脇を発進する排気音、走り去る排気音を発進するのを忘れ聞いていた。
     
     後ろのクラウンがホーンをけたたましく威圧的に鳴らした、そのホーンにまくし立てられ青信号の交差点へ走り出した。
     
     頭の中を何かが走りぬけた、何かを体が思い出した。
     
     

    つづく
     
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    少年の夏ー3
     
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    次々に高校のバイク仲間が防波堤へとやってきた、チャックを見るなり皆彼らなりの慰めを口にした。
     
     「左手は動くのかよ、夏でも手袋はしねぇとな」
     
     「あ、あぁ何とか動くよ、軍手はやってたんだぜ」
     
     「薄くても革じゃなきゃ駄目だ、足もブーツが一番だコンバースじゃ脱げちまう」
     
     「今日のツーリングは中止にして泳ぐか、チャックがこれじゃあ行けねぇだろ」
     
     「パンツで泳ぐのかよ、海パンもってねーぞ」
     
     「海パンなんかいらねぇよ、ズボンで泳いだってバイクで走ればすぐに乾いちまうだろ」
     
     「大丈夫だ走れる岬まで行こう」チャックが言った。
     
     「じゃあ決まりだ、岬の先っぽ目指して出発だ」
     
     少年達は夫々のオートバイに跨りキックやセルモーターでエンジンをかけた、四本や三本や二本のマフラーから排気音を吐き出しながら走り出した、チャックは足や腕を動かすたび乾いた傷がヒリヒリ痛んだ、走り出して風が当たると痛みが増した。
     
     国道に出る赤信号で、割れたウィンカーレンズの中の電球が点滅していた。
     
     少年達の腿に太陽が照りつけた。
     
    つづく
     
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