伊勢原CB

Yahooブログから引っ越しました、「あの頃の未来」伊勢原CBです、Yブログで知り合った方が訪問の際には、メッセージで貴殿のURL等をご連絡いただけますと幸いです。

    2012年05月

     
     
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    新緑に誘われて、MTXで林道へ
     
    ダートに入ってチョット走ったら
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    その先も
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    そして
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    行き止まり、徒歩なら通れるけど
     
    反対側から
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    下を覗くと
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    ダートを300m走っただけでした、(往復600m、涙)
     
     
    このまま帰るのもツマラナイので、道志道を走ることに
     
    途中で気になっていた林道を思い出して、左折
     
    ここに着いたら、雨がポツポツ、空ではゴロゴロ
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    こんな所を抜けて
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    その先は
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    さらに先は、崩れていたり、倒木があったり
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    入口にゲートやバリケードが無くて、進入可能な林道ですが
     
    路面は砂で崩れやすく、危なそう、なのでソロで入るのは止めました
     
    バイクのタイヤの後があったので、通れることは通れるのかも
     
    道志道に抜ける林道なので
     
    次回はマウンテンバイクでチャレンジかな。
     
     
    峠のおじさん、ありがとね!!
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    続・少年の夏ー最終回
     
     
     「このオートバイは色が違うけど、良く似てるわ、あの時のオートバイなの」
     
     「いや違う、今日買って乗ってきた、同じ排気量、同じ形だけど、あれとは違う」
     
     「ずっとオートバイに乗ってたわけでは無いのね」
     
     「オートバイに乗るなんて考えてもみなかった、でも突然乗りたくなった、乗りたくなったら我慢が出来なくて、これを見つけたら欲しくて我慢が出来なかったよ、理由は分からないけど、若い血がまだ残っていたのかな」
     
     二人は防波堤に並んで座り、月明かりで輝く細波を見ながら話を続けた。
     
     結婚してから旦那の仕事の関係で住まいが何度も変わった事、だから日本中に友達が居ること、子供の転校で大変だったこと、今は隣の県に住んでいる事、そんなことを正代は話した。
     
     大きくは無いが幸せだと、毎日やることが有って充実していると、テニスは今でも続けていると言っていた。
     
     明日も仕事があるので今夜帰らなければならないと、それで車で来て、帰る前に懐かしい場所へ寄ったと言った。
     
     「いつかその少女に会ったら、青山君のことを伝えておくね」  
     
     正代はペットボトルのミネラルウォーターをひとくち飲んだ。
     
     「それじゃあ、今度ここへ来る時はヘルメットを二つ持ってくるよ」
     
     ハッチバックのテールランプが見えなくなるまで見送り、チャックは防波堤に横になった。
     
     
     朝日の眩しさでチャックは目を覚ました、防波堤の上に緑色の瓶と、赤いアルファベットと山のイラストが描かれた飲みかけのペットボトルが並んで立っていた。
     
     
     二つの水は同じ河を流れるだろうか、流れ着く海は同じだろうか、チャックは考えた。
     
    おしまい。
     
     
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    続・少年の夏ー9
     
     
     チャックがオートバイに乗り始めて最初の冬、北風が冷たい晴れた日、チャックはいつものようにオートバイで防波堤へやって来た、海へ足を投げ出し防波堤に腰をおろし、帰ってくる少女を待っていた。
     
     太陽は西の丘に沈み、辺りは暗くなり始めた、路線バスのヘッドライトが眩しく路面を照らした、バスが通り過ぎると道路の向こう側に二人乗りの自転車が見えた、後ろから降りた少女は、ハンドルを持つチャックが知らない少年に手をふり、トタン張りの建物へ入った。
     
     その日からチャックは防波堤へ来るのを止めた、そして、将来なんて何も考えないままに、受験勉強なんて殆どせず親の言うとおり大学を受け、合格したので入学した。
     
     大学へはオートバイで通った、オートバイで旅もした、でも防波堤には行かなかった。
     
     成人式は親の背広を着て出席した、晴れ着姿の正代を見たのが、目にした最後だった。
     

     「そう景色が突然変わったんだ、俺に見える景色が変わったんだ」
     
     「オートバイが来なくなって寂しかったわ、いつもの景色にあったものが無くなって」
     
     「いつも見ていたものがなくなって寂しかったかぁ、見たくないものが増えるのも寂しいよ、ここが好きだったのは、ここから見える少女が好きだったから、その少女を見るためにいつも来ていたんだ、でも少女は二人で帰ってくるようになってね」
     
     「その少女は、いつかはあのオートバイに乗ってみたいって思っていたかもしれないわ」
     
     「オートバイなんかより、他に興味があったみたいだったよ」
     
     「一緒に帰ってきたのは、お友達じゃないのかな、特別な仲じゃなかったかもしれないわ」 正代が言った。
     
     チャックは黙って海を見ていた。
     
     
     「あの頃に戻ってここで二人で海を見たいよ」
     
     
     「わたしも」 正代はオートバイを見ていた。
     
     
     
    つづく
     
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    続・少年の夏ー8
     
     
    「青山君は今何をしているの、同窓会は初めてよね、私は毎回来ていたけど一度も逢わなかったもの」
     
     「俺はなんと言うか、言ってみれば平凡な親父かな、毎日毎日世の中に差し障り無く生きてきた、生きてきたと言うより、切り抜けてきたって言う方が正解かな、今日来ていた連中は偉いよ、街のことに係わりながらいろんな活動をしてるものなぁ、議員になったヤツもいたな、自分がやってることが正しいって自信があんだな、羨ましいよ自信たっぷりで、都合のいい言葉しか耳に入らねーヤツだったけど、議員は投票だからな」
     
     「そのオートバイで来たの」
     
     「ああぁ、これで来た」
     
     「高校生のときもよくオートバイでここに来てたわよね、夕方に良く見かけたわ」
     
     「中学ん時からここへ来んのが日課だった、ここが好きなんだ」
     
     「いつもそこに座っていたわね、そこにオートバイが置いて有ると昔を思い出すわ、家に入る時オートバイを見ながら玄関を開けたものよ」
     
     「そうかオートバイに興味があったんだ、テニスに夢中で勉強も熱心で、オートバイなんて気にもしてないと思ってたよ、高校だって良いとこ行ったしな」
     
     「青山君は大学へ行ったんでしょ」
     
     「一応大学は出たけど、親に金を使わせただけだ、就職が決まって街を出た」
     
     「成人式は一緒だったわよね、卒業まではこの街にいたのよね、なんでここへ来なくなったの、好きな場所なのに」
     
     「景色が変わった時から来るのを止めたよ、好きな場所だから」
     
     「景色が変わったとき」 正代は訊いた。
     
     
    つづく
     
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    続・少年の夏ー7
     
     
    車のドアが閉まる音が聞こえた、硬い靴底がコンクリートを叩く音が近付いた。
     
     足音の主はチャックの十メーター程左に立って海を見ていた、湿った潮風が髪を揺らした、髪の長い女性だった。
     
     「こんばんは」 チャックは酔いに任せて、大きな声で呼びかけた。
     
     「今夜は穏やかだ、風が弱いから暑苦しいけど、この入り江は昔からいい所だ」
     
     「そうね、良く知ってる、ここの海は毎日見ていたから」 チャックは声で誰だか分かった。
     
     「村上さん?、村上正代さん?」 チャックは立ち上がった。
     
     「そう、昔は村上だったわ」
     
     「あっ、そうか、今は苗字が違うか」
     
     「二次会は終わったのね」
     
     「煙草の煙が酷くて、でかい音のカラオケも苦手だから逃げてきた」
     
     「今夜はそこに寝るつもりなの」
     
     「夜空の下で寝るのは久し振りだ、朝には潮風でベタベタになっちまうだろうな」 
     
     「家が海のそばだったから、窓を開けたままで寝ちゃうと、朝起きたら布団が潮だらけだったっけ」
     
     「今は誰も住んでいないんだね、あの家は、あそこだけ昔のままだ、トタンが錆びたけど」
     
     「私がお嫁に行ってすぐに引越したのよ、元々親戚の間借りだったから、両親は今でもこの街に暮らしてる、あの丘の麓で」 正代は西の丘を指差した。 
     
    つづく
     
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