伊勢原CB

Yahooブログから引っ越しました、「あの頃の未来」伊勢原CBです、Yブログで知り合った方が訪問の際には、メッセージで貴殿のURL等をご連絡いただけますと幸いです。

    2012年05月

     
    続・少年の夏-6
     
     
     陽介は忙しそうに動き回っていた「アイツも今じゃ街の顔役だ、商工会や、消防団、商店会どれも役員だ、ちゃんとやってんだぜ毎日忙しそうだ」 チャックの横でサトシが言った。
     
     「街で暮らすにはいろいろやらなきゃいけねーからな、アイツのオヤジだってそーだったろ、街にはそんな人間が必要なんだよ、それを頑張ってる陽介は偉れーな」 チャックが言った。
     
     陽介の計らいで二次会が決まった、チャックはサトシ達と二次会のスナックへ歩いた、久し振りに歩く道は幅が広く違う街に感じた。
     
     カラオケと煙草の煙に参ったチャックは二次会のスナックを出て、防波堤へ向かって歩いた、陽介が家に泊まれと言ったが、夜空の下で寝るのも今日の目的の一つだと断り、スナックを出てきた。
     
     オートバイから毛布を降ろし防波堤に広げた、丸い月の光が海面に反射していた。
     
     スナックから持って来た、緑色の瓶に入ったミネラルウォーターを飲みながら、細波の輝きを見ていた。
     
     駐車場の端にブレーキランプが光った。
     
     
    つづく
     
    イメージ 1

     
    イメージ 1
     
    疲れた~
     
    環八キライ
     
    16時50分、無事かえるしてます!
     
     
    パパさんお世話様でした。
     
    イメージ 2
     
    峠のおじさん、愛をありがとね!
    イメージ 3

     
    続・少年の夏ー5
     
     
     女性ばかり集まってワイワイやっているテーブルがあった、その中の一人がチャックに声を掛けた。
     
     「青山君でしょ、初めてじゃない来たのは、変わってないわね、昔のまま、私達はおばあちゃんでしょ」
     
     「オッオォ、並木さんか、生きてるうちに一度ぐらい皆に逢っておこうと思ってよ」
     
     「こっちに来ない」 チャックはそのテーブルへ招かれた。
     
     「ねぇねー、ほら青山君、昔のままだわ羨ましい」 並木幸子はテーブルのみんなに呼びかけた。
     
     「ヨォ、こんにちわ、昔のままって事はねーよ、顔が広くなったよ」 チャックは額を撫でた。
     
     テーブルの向こう側、チャックの正面に探していた顔があった、チャックの心は一瞬に三十七年遡った。
     
     口元の表情で気が付いた、三十七年の月日は少女の面影を少なくしていた、笑った時の目は昔のままだった。
     
     そのテーブルは並木幸子が仕切っていた、幸子は昔からそういうタイプだった、同窓会に来れる自分達は幸せなんだと盛んに言っていた。
     
     会場内を見渡すと、ジーンズにTシャツ姿は自分だけだった、その格好が昔のままの印象を与えたんだろうと考えた、男はスーツやジャケットで他所行きな格好ばかり、社会的にある程度の位置にいるものばかりのようだ、女性もきれいに着飾ってそれなりだった、聞くでもなく話を聞いていると、自分の幸せ具合を計りに来ている雰囲気だった。
     
     
    つづく
     
    イメージ 1
     

    続・少年の夏ー4
     
     
     「生きてたのかよ、音信不通で死んだって噂だぜ、オメーは」
     
     「今までは返事も出さなかったからな、今年は妙に昔が懐かしくてよ、生きてるうちじゃねーと来れねぇからな」
     
     「そんな話は後でいいから、まずは乾杯しよーぜ」 赤い顔のヒロシが言った。
     
     「オメーはもう酔っ払いじゃねーか」 サトシとヒロシは笑った。
     
     「始まるまでまだ時間がある、俺たちだけの乾杯をやろう」 良二が両手に抱えたビール瓶を床に置いた。
     
     「よしやるぞ、早く注げ」 グラスを皆に渡すと浩之が栓を抜いた。
     
     チャックたちは再会を喜ぶ乾杯をした、乾いた咽喉に滲みこむビールは美味かった。
     
     ホールに入ると懐かしい顔が沢山居た、チャックは目当ての顔を捜した、一人一人見ていくとどれも昔の面影があった、変わり果てたヤツはこんな集まりには来ないだろうから、皆それなりに幸せなんだろうと思った。
     
     
    つづく
     
    イメージ 1

     
    続・少年の夏ー3
     
     
     青と呼ぶには濃い色のハッチバックが、チャックの後ろをゆっくりと通り過ぎた、サイドシートにテニスラケットが見えた、チャックは海を見ていた。
     
     ハッチバックは空き家の前で止まった、エンジンをかけたまま暫らく止まっていた、走り出すエンジンの音でチャックは振り向き、走り去るハッチバックを見た。
     
     携帯電話のアラームを18時にあわせ、チャックは防波堤の上に横になった、西に傾いた太陽は丘の向うに入り防波堤に丘の影が伸びていた。
     
     夏の夕方には早い時間だが、波の音を聞きながら過ごすのは気持の良い時間で、防波堤に来た目的の一つだった。
     
     防波堤から会館は歩いて十分の場所だ、会館は街の施設で正式には公民館で、五年前に立て替えられて大きなホールが出来ていた、そこが同窓会の会場だった。
     
     受付に陽介が居た、街に残った者が同窓会の幹事をやっていた。受付を済ませ折り畳みイスに腰掛けて眺めていると、知った顔の連中が目に入った、バイクで一緒に走っていた連中だ、チャックを見つけ手を振った。
     
     
    つづく
     
    イメージ 1

    このページのトップヘ