双葉正夫の青のW3、湯方乱男のCBR900、、町田来哉の小豆色のCB750FⅡ、ブルーのCB750、赤黒のW1SA、DT200、金色CB750など17台のオートバイが、錦の山肌に張り付くような九十九折れのアスファルト舗装された林道で、小気味良い排気音をこだまさせながら、赤や黄色の落葉を舞い上げた。
よく整備された青のW3に乗る蝉虎良造は、右のマフラーから煙を吐くCB250のことを心配しながらその後を走っていた、伊勢原五郎はCB250が若干復調したのを感じたが、きつい登りは排気量の大きいオートバイについて行くことに余裕は無かった。五郎は自分のことを他所に、時々前に見える2気筒500ccのマフラーから出る紫色の煙が多くなってきたことが気になっていた。
先頭の音工房男はいいペースで一団を引いた、何人かのブロガーが紅葉の写真を撮りたくてウズウズしている頃「太陽寺」で止まった、そこから見る秩父の山は、赤や黄色、茶や緑のモザイク模様に染まって秋の只中だ。

皆一様にデジタルカメラを取り出し、景色を切り取ることを楽しんだ。

バイク乗り達がカメラのシャッターを押している時、仕事のため参加出来なかった野風呂好也は千葉の片隅でうな垂れていた、オートバイに乗ろうとすると天気が悪く、バイク乗りの集まりに行こうとすると仕事が入る、そんな繰り返しで参っていた。
撮影はk e i 5 9 様です、勝手に持ってきましたkei59 様お許しを。
同じ様な道を暫く走り次に止まった「三峰神社」も真っ赤なモミジに彩られた秋そのものの場所で、何人かの紅葉狩りの観光客がいた。ここでも互いのオートバイについて話、夫々に景色を切り取り、切り取った景色には小さく、大きくオートバイが入っていた。



赤で止められる時間が長いことで有名な二瀬ダムの信号も、仲間と一緒だと楽しい時間に変わる、ここでも思い思いにレンズを向けた。

「道の駅 大滝温泉」が別れの場所になった、別れの挨拶のあと、バイク乗り達は名残は惜しかったが秋の日暮れの早さに急かされバイクに跨った。
その時、音工房男は大事なことを思い出した‘八木和流男;頭に浮んだその名前に焦りを感じた。
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