BGM
 
 
 
 
彼の気持ち、彼女の心

 「今日はこれから仕事なんだ」
 
 「そうなの、これからなのよ、小潮の時は潮が引くのが朝早いから先に波 乗り、今日はもう帰るのかしら」
 
 「いやまだ物足らないから、南側の海岸に行ってみようと思ってる、波は  無さそうだけど、波が無ければ釣りでもして時間を使うつもりなんだ、せっ かく休みを取って来たんだから、今日はどこかに泊まって明日も波乗りを するつもりなんだ」
 
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 「それじゃあ、今日はこっちに居るのね、仕事が終わったらまた此処へ来 るから、一緒に夕食はどうかしら」
 
 「よろこんで、夕方、此処へ戻ってきます」
 
 話し込んでいる二人に男が言った。
 
 「君達は同じオートバイが好きで、波乗りが好きで、気が合いそうだけど、 彼女はもう仕事に行った方が良さそうだよ、ボードとウェットは仕舞ってお くから」 
 
 「いつもすいません、御願いします」 彼女は550のクラッチを繋いだ。
 
 夕方、彼女は彼も気に入るだろうと、お気に入りの「さんま寿し」を買って待っていた。
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 男の小屋で3人は「さんま寿し」でささやかな夕食をした、彼は「さんま寿し」が気に入った。
 
 「此処はいいところで、此処の海がとても気に入りました」 彼が言った。
 
 「そうでしょう、此処はとても素敵だわ」 彼女が言った。
 
 「気に入ってもらえてうれしいですねぇ、君達はお気に入りが同じなんだ  ね」 男が言った。
 
 男のする「波乗り」の話はとても勉強になり、二人は頷きながら聞き、彼のする「オートバイ」の話は飯塚には新鮮だった。
 
 二人の話を聞いて彼女は、波乗りもオートバイもアドバイスをしたり聞いたりは必要だけど、結局は、自分で何とかしなければ始まらない。
「人生と同じだ」 そう感じた。
 
 ささやかな夕食の後、彼と彼女は上弦の月が輝く砂浜で波の音を聞いた。
 
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 彼は彼女の顔を見つめるだけで言葉は出てこなかった、彼女は彼の気持ちを知っていた、彼女も同じ気持ちを心に仕舞っていた。
 
 
 
つづく
 
 この物語は妄想です。 実在の人物、団体などには一切関係ありません。画像はイメージです。
 
この物語が事実のように感じるのはアナタの妄想です。