続・少年の夏-6
 
 
 陽介は忙しそうに動き回っていた「アイツも今じゃ街の顔役だ、商工会や、消防団、商店会どれも役員だ、ちゃんとやってんだぜ毎日忙しそうだ」 チャックの横でサトシが言った。
 
 「街で暮らすにはいろいろやらなきゃいけねーからな、アイツのオヤジだってそーだったろ、街にはそんな人間が必要なんだよ、それを頑張ってる陽介は偉れーな」 チャックが言った。
 
 陽介の計らいで二次会が決まった、チャックはサトシ達と二次会のスナックへ歩いた、久し振りに歩く道は幅が広く違う街に感じた。
 
 カラオケと煙草の煙に参ったチャックは二次会のスナックを出て、防波堤へ向かって歩いた、陽介が家に泊まれと言ったが、夜空の下で寝るのも今日の目的の一つだと断り、スナックを出てきた。
 
 オートバイから毛布を降ろし防波堤に広げた、丸い月の光が海面に反射していた。
 
 スナックから持って来た、緑色の瓶に入ったミネラルウォーターを飲みながら、細波の輝きを見ていた。
 
 駐車場の端にブレーキランプが光った。
 
 
つづく
 
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