午前の用事がいつもより早く終わった休日、ガレージから直立二気筒624ccのオートバイを押し出した、ガソリンタンク下側の、右と左に付いているガソリンコックを開き、チャンバーにガソリンが充分貯まるのを待って、ハンドルの右側に有るエアーシャットバルブレバーを向うに一杯まで押し込むと、クロームメッキのキックペダルを一蹴り踏み込む、ボッとエンジンが反応する、二回目のキックでマフラーから大きな排気音が吐き出された、アクセルを煽ると近所迷惑だ、エアーシャットバルブを半分開け、アイドリングの様子を伺う、一分程でエアーシャットバルブを全開にすると、リズミカルにマフラーが唄い出す。
 これから走るコースに合わせて、冬に着ている革ジャケットと革のライダーパンツを選んで、ライダーパンツの中に防寒タイツを着込んだ、オートバイの横に立つと少し汗ばむ陽気だが、走り出せば丁度良い、これでもあの峠では寒い筈だ。

 渋滞の国道を西へ向かい、大型ダンプに前を遮られ、黒い排気ガスと巻き上げる砂埃に辟易しながら目的の交差点を目指した、国道から旧道へ入り山北駅に着いた、今が時期の線路沿いの桜は見事に満開だった、平日なのに花見客が多く、写真を一枚撮ってすぐに走り出した。
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 小山から峠道に入ると交通量は少ない、春霞で景色は望めないが、624ccのオートバイは、傾斜のある登りを力強く駆け上がった、実に頼もしく愉快な乗り心地だ
明神峠から三国峠の間は日陰が多く、除雪で道の脇に寄せられた雪がまだ残っていた
三国峠を過ぎると景色が開ける、正面に富士山そして山中湖、いつの季節に見ても素晴らしい、今日は雲で富士山は見えないが、開放感のある景色はそのままだった。
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冬枯れの三国峠
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おわり