続・少年の夏ー4
「生きてたのかよ、音信不通で死んだって噂だぜ、オメーは」
「今までは返事も出さなかったからな、今年は妙に昔が懐かしくてよ、生きてるうちじゃねーと来れねぇからな」
「そんな話は後でいいから、まずは乾杯しよーぜ」 赤い顔のヒロシが言った。
「オメーはもう酔っ払いじゃねーか」 サトシとヒロシは笑った。
「始まるまでまだ時間がある、俺たちだけの乾杯をやろう」 良二が両手に抱えたビール瓶を床に置いた。
「よしやるぞ、早く注げ」 グラスを皆に渡すと浩之が栓を抜いた。
チャックたちは再会を喜ぶ乾杯をした、乾いた咽喉に滲みこむビールは美味かった。
ホールに入ると懐かしい顔が沢山居た、チャックは目当ての顔を捜した、一人一人見ていくとどれも昔の面影があった、変わり果てたヤツはこんな集まりには来ないだろうから、皆それなりに幸せなんだろうと思った。
つづく
